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超個人的読書記録 ――時間のある時のみ感想も(ネタバレ注意!)
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人魚は空に還る (ミステリ・フロンティア)
三木笙子

「しずくは観覧車に乗りたい」富豪の夫人に売られてゆくことが決まり、最後の願いを口にした見世物小屋の人魚は、観覧車の客車から泡となって消えた。水神の怒りに触れて浅草は水中に沈んだのか。いや、地上という水底から人魚がその身を縛るもののない空へと還っていったのか—(表題作)。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年が贈る帝都探偵物語。明治の世に生きるふたりの青年の交流をあたたかに描いた、新鋭の人情味あふれるデビュー作品集。

「俺様ワトソン」というフレーズに惹かれて読んでみました。

明治時代を舞台としたとても雰囲気のあるお話でした。本格ミステリ!という訳ではないのですが、読んでいても心温まるものが多くて、物語としてじゅうぶん楽しめるものとなっています。
短編集だったからか、個人的にはあんまり「俺様ワトソン」には思えなかったのですが…いや、もちろん「俺様ワトソン」なんですけれど…!何であんまり思わなかったのかな…もしかしたら視点が高広寄りだったからかもしれません。ワトソンといえばホームズがかっこよく事件解決するのを語る存在という印象が強いので。(っていってもまともにホームズシリーズ読んだことないけれど…)
礼は超美形の売れっ子画家で俺様で、高広が事件を解決するように仕向けようと一生懸命になろうとする可愛い奴です。海外探偵小説を訳してくれる高広を、友達と思ってくれているようですが、高広からしたら自分の作っている雑誌に絵を描いていただいている大先生でもあるので、ちょっと複雑そうです。友達でもあるはずなのに、はっきりした上下関係があるっていう…このちょっと不思議な関係性がまた良いです。


この二人で長編小説も読んでみたいと思いました!
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