ベンチマークに恋をして アナリストの憂鬱

井村仁美

「私は男に冗談でキスをする趣味はないよ」彼の濡れた唇が、今行われたことを生々しく物語っていた—。証券経済研究所に入社して三年目の五十嵐邦彦は、ある日、アナリストランキング表の上位に載っている一人の男に注目した。敏腕アナリストとして有名なその人物が、かつて自分と同じ会社に勤務し、独立を果たしたという経緯を知り、邦彦は徐々に彼に心酔していくのだが—。

久し振りにがっつりＢＬ読みました（笑）。たまーに読みたくなるのですよね…。

証券会社を舞台にしたリーマンものなのですが、読んでいて「こういうのって調べて書いてらっしゃるのかな～凄いな～」と思っていたら、あとがきで主人がアナリストなんです、とおっしゃっていて吃驚しました！主人…に、聞いたのか…！

無理やりからのラブラブ、というＢＬものでは良くあるパターンですが、この形は説得力を出すのに一番難しいタイプなのではないかと私は思います…でも何でだか女の子ってこのパターン好きなんですよね。
このお話では、無理やりよりも、自尊心を傷つけられたという意味での反発の方が大きかったパターンなのだと思います。尊敬していた人に目をかけて貰ってると思っていたのに、そういう目で見ていたなんて…！という奴です。