No.6 #5

この都市は人間を支配しようとしている。無慈悲に人を食らう、支配欲に猛り狂った怪物だ。誰も気がついていないのだろうか。

『人狩り』によって矯正施設へと送り込まれた紫苑とネズミ。そこは無数の人間の塊が蠢く、この世の地獄だった。生きて戻ることはできるのか。一方、救出を待つ沙布の身体には異変が起きていた――。

とうとう来ました第五巻！
矯正施設に乗り込んだ二人です。

今回は、紫苑が怖かった。
「おれは、あんたに紫苑のままでいてほしい」
私も、紫苑さんにはそのままのアナタで居て欲しい・・・
錯乱していってしまうんじゃないかって思うと、とても怖い。
天然でも世間知らずでも役立たずでもいいから、紫苑のままで居て欲しい。
ちょー強い紫苑さんは怖いです。（怖いばっかり言ってるな）
好き過ぎて、おかしくなっちゃうことってあるのかなぁ。
大切なものを守りたいと思うのは当たり前の感情だと思うけれど、そのために他者を殺そうとする姿は見ていて恐ろしいとしか感じられませんでした。
紫苑、どうなっちゃうんだろう・・・（汗）

今回の名場面は「キスしてやるよ」のくだりですかね。（笑）
「おれが、あんたよりずっと上手に別れのキスができるって思い知ってから・・・」のところは、うぎゃー！ってカンジでした。いや、普通、うぎゃー！ともなるでしょう。
そして前回に引き続き、腰に手をまわすところに過剰反応してしまうのは、性というものでしょうか。（笑）

それにしても、真正面から向き合おうとする紫苑は見ていて痛々しく思えてしまいます。
思えば、バッテリーの豪ちゃんと巧もめちゃくちゃ痛々しかった。（汗）
「あんたとは相容れない」
「気がついていた」
本音であればあるほど、二人の会話は直視するには痛すぎる。
正直、二人が何を考えているのかわからないところも多々あったりします。
でも、どうか根っこの部分ではつながっていて欲しいし、つながっているものが無かったとしても、お互いがお互いをつなぎ止めようとする努力をして欲しいと、願わずにはいられません。

あと周りも色々動いているのだけど、あまり物語は進んでいなかったように思います。いや、周りが動いたから、かも知れないけれど。
また#6が出るまでおあずけかと思うと、うぅーっ！って思います。
早く続きが読みたいような、読みたくないような・・・。