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超個人的読書記録 ――時間のある時のみ感想も(ネタバレ注意!)
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まほろ駅前多田便利軒

東京のはずれに位置する“まほろ市”。この街の駅前でひっそり営まれる便利屋稼業。今日の依頼人は何をもちこんでくるのか。痛快無比。開巷有益。やがて切ない便利屋物語。

「あんたは正義の味方にはなれないね」
「いいんだ。俺は便利屋なんだから」


第135回直木賞受賞作。
公共図書館で予約するも、全然こなくてじりじりしていたところに、大学図書館で見かけてすぐさま貸し出しカウンターへ!(笑)
大学図書館は学術研究図書を中心に集めている場所なので、こういう文芸図書は意外に借りられていないことが判明。これからはこの手で行こう。(ニヤリ)

そして念願の読書…しをんさんの小説は、会話部分がほんと好きです。とても魅力的で、読んでいてニヤニヤしてしまいます。(笑)
最初の方は「直木賞って、こういう作風のものがとるんだっけ…?」と疑問に思っていたのですが、やっぱり上手いなぁと感服しました。物語の広がり方とかほんと好き。
最後の方は章のタイトルとか今までの内容からでだいたいオチまでよめちゃうんだけど、でもでも、ハラハラしてしまうんだ…!行天、どこ行ったんだー!ふたりはまた再会できるのか!?

一番好きなシーンは、もちろん、「ねえ、俺の小指に触ってみな」のところ。ああいうシーンにめっぽう弱い。(笑)
行天は多田が壊してしまったものの象徴とも思える指を掲げて、楽になればいいと言う。行天の普段からは想像できないそういう繊細な優しさがさ…それを上手く受け入れられない多田がさ…いいんだなぁ。

せっかくしをんさんの小説を読んだので、腐女子的深読みもしてみることに。(何をしている)
多田の「知ろうとせず、求めようとせず、誰ともまじわらぬことを安寧と見間違えたまま、臆病に息をするだけの日々を送るところだった」は、深読みできるのではないか?と思う。いや、深読みする必要もないように思えるが、まぁとりようによってはどうにでもできるよな、と。(笑)逆に言えば、行天を知りたくて、求めたくって、交わりたいということにもなるだろうから。
そこで問題になってくるのは、しをんさんは多田と行天、どっちが攻めでどっちが受けのつもりで書いていたか、ということだ。(…)きっとしをんさんのことだから、考えているに違いない!と思うのだけど、私はこの話を読んだ限りではどちらがどちらか皆目見当もつかない。私の好みで行けばもちろん行天さんが攻めなのだけど、私の好みとしをんさんの好みが合致しているのかどうか…

そんなことを真剣に考えたりもしましたが、普通に読んでじゅうぶん面白いと思います。脇役も素敵でした!星くんが好きです。ボス…!なのにタバコもお酒もあまりなところが。おそろいのお守りつけているところが。
あと、由良くんも!なんだかんだ言いながら多田たちと連絡を取り合っているところが、ツンデレっぽくていい。(笑)かわいいです。

しをんさんらしい、軽トラックが出てくる(笑)、素敵な関係小説でした。
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