伯爵と妖精 駆け落ちは月夜を待って

谷瑞恵

妖精の姿が見えて話もできる少女リディアと、彼女の雇い主で、一応婚約者でもある伯爵エドガー。婚約といっても妖精をあざむくためのもの、のはずなのだが、エドガーの口説き魔ぶりにリディアは振り回されっぱなし。そんなふたりの恋愛模様（？）を描いた『花占いをお望みどおり』『駆け落ちは月夜を待って』『きみにとどく魔法』のほか、ふたりが出会う前の物語も収録したロマンティック短編集！

きみが僕以外の男に心を許すわけないじゃないか

続きかと思ったら、短編集…！
おおう、続きは一体どうなるんだ！？と思いながらも、とりあえず頭を切り替えて楽しんで読みました。
エドガーと出会う前のお話から、ケルピーとの出会いや、まだお互いの心が近づいてきていない頃のお話、そしてクリスマス休暇中の離れ離れだったふたり…。

こう見てみると、やはりエドガーのへたれっぷりは徐々に増していると思う。（笑）そんなところに注目しちゃってました。

リディアの心のつっこみが面白い。
「心配なんだ。きみはやさしくて人がいいから、悪い男にだまされやしないかと」
あなた以上に悪い男はいないわよ。
とか、電車の中で思わずふき出しそうになった。声に出さないところがまたポイントだな、と思う。（何の？）

めずらしくリディアにやりこめられちゃうエドガーも見れたので、かなり満足です。出会う以前の話も可愛らしくって良かった…！でも続きの方が気になる。はやく図書館で予約しなきゃ！