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超個人的読書記録 ――時間のある時のみ感想も(ネタバレ注意!)
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待ってる 橘屋草子
あさのあつこ

何かを待たずにいられないのが、人の世のならい。では、おふくが「待ってる」ものは—?12歳の春、貧しい少女・おふくは、江戸・深川にある料理茶屋『橘屋』で奉公を始めた。美しく気丈な仲居頭のお多代は、おふくを厳しく躾ける。優しくも、温かくもない言葉の裏にある“何か”に気づいたおふくは、涙を堪えながらもお多代の下でたくましく成長していく。あさのあつこが少女の成長と人の絆を描く、涙あふれる連作短編集。

余計なもの捨てて、あたしを見ることができる?
あたしの、全部を捉まえることができる?


あさのさんの時代物の小説です。
世間での大多数の、貧しい生活をする人たちが描かれたお話だなぁと感じました。時代が違うので、現代の貧しさとはまた違った貧しさですが、本質は同じというか…お金持ちで贅沢出来て、人が憧れるような生活をしている人って、ほんの一部で。ちっとも目立たない大多数の生活の中に一人ひとりの濃い人生が詰まっているんだよね!という気持ちになりました。

おふくがまた芯の強い子で…上記の正次に対して思うところで惚れそうになりました(笑)。かっけぇ!憐れみなんかで一緒になりたくないよね。気持ちの弱っている時にそう言ってあげられるっていうのは、男として甲斐性があるというか、行動としては格好よかったのかも知れないけれど、やっぱりちょっと違うっていう。

格好いいでもう一つあるのが、橘屋の旦那様です。一番最後の章でのお多代さんに対しての態度が…かっけぇ…!「勝手にここを出て行くことは許さん」って、ちょっと傲慢な感じで言う所が…行って欲しくないって言うんじゃなくて、わざとそういう風に言っているような。独占欲みたいなものも見え隠れして、さりげなく胸キュンでした。
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