彩雲国物語 暗き黄昏の宮

雪乃紗衣

監察御史・紅秀麗が、任務半ばで姿を消した！その報は瞬く間に朝廷を駆け巡り、国王の紫劉輝は心を痛める。秀麗の安否は気になるが、一官吏の彼女を特別扱いできない。そんな王の心を汲み、側近の藍楸瑛は、密かに秀麗を捜すことを決意する。一方、秀麗と同行していた榛蘇芳が帰還。彼が語った驚きの事実に劉輝は絶句する。秀麗の身に危険が、劉輝の治世には暗雲が立ち込める！？人気シリーズ第１５弾、怒涛の最終章開始。

劉輝の株がどんどん下がる…！そんな巻でした。

雪乃さんがデビュー作のこの彩雲国物語シリーズを書くまで、投稿していた作品は暗いものばかりだったと以前何かで言っていた気がするのですが（もしかしたら記憶違いかも知れませんが…）その意味がわかる気がします。
普通の物語だったら、仲間を得て、協力して治世をおさめた！めでたしめでたし！的なことで良かったと思うのです。それこそシリーズ１作目とか、序盤のように。しかしここにきて、あの頃劉輝が取っていた行動全てが不適切であったことが明るみに出てきてしまっています。きっと今読み返したら、「お前、こんなとこでこんなことしてる場合じゃないだろ！」とイライラするんだろうなぁ…普通に読んでいた時はにやにやしながら読んでいても、です。
とりあえず、今のまま行くとどう転んだらハッピーエンドになるのかちょっと良くわからないですが、もう不思議な力が働いたとかでも良いから秀麗には幸せになって欲しいです…